3/29 鬱への対抗策
日記13日目 3月29日
久しぶりに炭酸飲料を飲んでいてふと思い出したことがあります。
それは、自殺をしようと、アルコールに頼るしかないと、そう思ってレモンチューハイを飲んだときのことです。あんなに死にたいと思っていたあの日から一年が経ちました。
ここ最近は、かなり精神も安定していて、生きるぞという気持ちが少しずつ滲み出てきて、だいぶ生活が改善したと思います。(少し長めの躁状態である可能性はあるかもしれませんが)
今日は、なぜ精神的な回復に至ったのか、その理由を振り返り整理してみようと思います。社会人生活でまた鬱になったときのために活かせるかも、という動機です。もしかすると他の今鬱に苦しんでいる人、鬱になりそうな不安がある人たち、の鬱への対処法として役に立つかもしれません。
※注意
これはあくまで一個人の体験談・感想です。まったく同じ境遇の人というのはおそらく存在しないでしょう。参考にならない部分というのは多々あると思います。特に僕の場合は自虐による自滅タイプなので、虐待、いじめ等の加害が原因の場合については別の解決法を探したほうがよいでしょう。
ところどころ、「〇〇するのがよいでしょう」と書いてはいますが、ソースは自分でしかないので鵜呑みにしないようにお願いします。
また、精神病に関する専門的知識は無いので誤った対処に至らないために、もしあなたが現在鬱病かもしれないと思っている場合には、早急に病院や、学生であれば学内のカウンセリングルームなどに頼りましょう。そのほうが早く事態が好転すると思います。
さて、僕の過去の話は正直読んでもらわなくてもよいので、とばして「・鬱への対抗策」から読んでもらって構いません。
経緯
ざっくりと過去を振り返ります。
大学1回生(やる気あり)→大学2回生後期(鬱、不登校)→大学3,4回生(コロナ禍、オンライン授業でなんとかなった)→大学院1回生前期(鬱、登校はしていた)→前期終了時に自主退学、以降ほぼ引きこもりニート→今年入って徐々に回復し、就活、春から社会人
(自分が不登校だったことや中退したことや就職したことは家族にも話していません。秘密にしといてね。(じゃあ公開するなよって感じですけど))
大学2回生と去年の2回、大きな鬱の期間がありました。
1回目は、だんだん朝起きられなくなって授業に出れなくなってほとんどすべての授業を欠席するようになりました。数少ない友人(多く数えても5人ぐらいしかいない)のうちの一人に板書を送ってもらって、演習系の講義は欠席者用の追加レポートを出して単位はなんとかなりました。留年しなくて済んだのは確実に友人のおかげですね。O.T.君本当にありがとう。
2回目は、成り行きで院に入学してしまったことへの後悔から。学部生のときからお世話になっていた研究室の先生はめちゃくちゃ良い人だったのですが、研究に対するモチベが残念ながら皆無でした。大学院は何がやりたいか曖昧な人間が行くところではないですね。
死にたさがMAXになったのはこの2回目の時期でした。学部を卒業して院に入学するまでの何者でもない間に死ぬための計画を立てました。卒業式の日、友人との会話で、「会うのは今日が最後だから、~~」とポロっと言ってしまって「最後なんて言うなよ~」と返されたときはドキッとしました。完全犯罪がばれるときってこういう感じなんだろうなと。
1回目のときも2回目のときも学内のカウンセリングを利用しようと思ったのですが、怖くて結局使いませんでした。(さっさと利用していれば早く事が済んだことでしょう)
鬱の根本的な原因
大学1回生の時点ではやる気がもりもりだったのになぜこうも無気力状態に陥ったか、その原因は、昔からの自虐気質、希死念慮と、優秀な他人との比較でしょう。
まず自虐気質というのは、いわゆる会話のあと脳内反省会をやるとか、自分にはどうせできないと思い込むとか、そういうありがちな思考回路です。
希死念慮も結構昔からあって中学生のときにはもうあったと思います。高校生のときもよく悩まされていました。もちろん現在もたまにですがあります。此奴は大概深夜にやってきます。
そして、決定打となったのが優秀な他者の存在です。もちろん中高生の頃も周りには優秀な同級生がいましたが、まだ勉強に関してはアドバンテージが取れていたのでなんとかなっていたのでしょう。
しかし大学生になると話は変わります。井の中の蛙大海を知らずというように、集団の規模が違うのですごい人はいくらでもいます。1,2回生のときの自主ゼミで本物の怪物に出会いました。意味が分からないほど先の勉強をやっていて、話している内容はもはや聞き取ることも難しい、そういう圧倒的能力を持った人間がいます。自分が得意としていたはずの分野で。別にこれらの人たちに誹謗中傷を受けたわけでもなく、ただ勝手に天才オーラにひれ伏し自滅しました。
以上の要素が組み合わさって、「自分にできることはない」、「頑張ってもどうせ彼らには追いつけない」、「自分が生きている意味はない」、「実際自分は死にたいと願っている」、つまり「死ぬ以外にない」という思考に嵌ってしまいました。
精神回復を目指すきっかけ
鬱状態から時間を経て徐々に精神が回復していったのですが、何が回復のきっかけになったか、を整理しようと思います。
- まず、退学したこと。
そのまま大学院生を続けていてもどうにもならないだろうと、思い切って退学したのは良かったのだと思います。何もしなくていい期間をとることでゆっくり気持ちを整理することができました。つまりは休息期間をとるべき、ということです。
ただしこの方法は、問題を先延ばしにすることにもつながると思います。僕のような孤独な環境の場合、だらだらと過ごして余計な時間がかかりすぎると思うので、心療内科などに通って相談相手を用意するべきでしょう。
- 経済的に困窮した状態になったこと。
大学院では奨学金制度は使いませんでしたし、アルバイトもちょっとやっただけで、冬の電気代はかなり高く、去年冬から経済的にかなりギリギリな状態になりました。食費を1ヶ月8千円ぐらいに押し込めてなんとかしていました。そういうわけで経済的自立をせざるを得ない状況になったのが大きかったと思います。強制スクロールステージに突入したわけです。前に進むしかありません。いずれやると思っていた就活を始めることができ、なんとか内定を獲得したことが大きな安心につながったと思います。
鬱への対抗策
ネガティブな感情に対抗するために自分がやったこと、意識したこと、環境的なものについて書き連ねていこうと思います。
環境についての対策
- 休める状態にする
できるかぎりダメージを受けない、やるべきことを減らした状態に身を置きます。僕の場合は退学したことが該当します。悩みの種から離れる。シンプルイズベストです。
これは社会人の方だと難しいかもしれません。退職に踏み切るのはかなり勇気がいると思います。一時的な休職の制度や社会福祉制度について事前に調べ経済的支援を受ける方法を明確にしておくとよいかと思います。(社会人経験がないのでこれは憶測でしかありません)
- 動かざるを得ない状態にする
自分が置かれている状況を強制スクロールステージにしてしまうということです。僕の場合は経済的困窮が該当します。この方法は自分から作り出すのが難しいですが、例えば「SNS上で『いつまでに〇〇する』と宣言する」、「『企業にエントリーを提出する』のような一連の工程の最初の部分をとりあえずやってしまう」、などが使えるかもしれません。
意識すること
- 「希死念慮は症状であること」を意識する
まるで本当に心から「死にたい」と思っているように感じてしまうのですが、これはあくまで症状です。思わされているもの、自然発生するものです。
去年僕は自殺の計画を立てたわけですが、結局本気ではなかったのです。運が絡むような死に方しか選べなかったり、たとえ紐を設置してもスルーして一日過ごしたりしました。
本気で死にたいならこの記事に目を通していないでしょう。心には死にたくない気持ちがどうやら存在しているらしいのです。その気持ちを無視しないために、「希死念慮は症状であり本心ではない」と唱えましょう。しばらくすると希死念慮は収まります。寝ましょう。寝るのが無理なら踊りましょう。動けないならテキトーに動画でも観ましょう。とにかく嵐が過ぎ去るのを待ちましょう。
- 「何もできない、なんてことはないこと」を意識する
無力感に苛まれると「自分には何もできない、実際今までに何もできた試しがない、ずっと不運で不幸なことしかなかった」という思考に陥りがちです。でもそんなことは大抵の場合ありません。なぜか、良かった頃の記憶を忘れてしまっているだけです。
シャワーを浴びながらぼんやり過去を思い出してみましょう。意外と、些細だけれども成功した体験があります。成功とも言えないようなことでもいいです。
たとえば僕が最近思い出した記憶は、「大学2回生のある日の休み時間に論理パズルの話をしたらちょっとだけ盛り上がったこと」です。その後、彼らとの交友関係は特に発展することなく自然消滅しましたが、関わりが薄い人と面白い話ができた経験が自分にあったのか!という驚きは結構心の支えになっています。
- 「社会は敵ばかりではないこと」を意識する。
鬱状態のとき、周囲の人間が全員敵に思える、ような思考に陥ることがあります。うれしい言葉をかけられてもすべてお世辞に思えてしまう。少しでもミスをしたらぶん殴られるのでは、と思ってしまう、など。例えば、僕は一人で外食することが苦手なんですが、これは「一人で食事していると何もしていなくても店員や他の客から怒られそうな気がする」というよくわからないイメージがあるからです。ですが、もちろんそのようなことはそうそう起こりません。
鬱だと、なぜかそういう突飛で不条理すぎる想像をしてしまいます。これも症状に過ぎません。「さすがにそんなことはない」と自分に言い聞かせましょう。
- 「励ましてくれる人は存在すること」を意識する。
鬱状態になると、どこにも味方がいないような感覚に陥ってしまうものです。ですが、特に今はインターネット上ですぐに知らない人と繋がることができる時代です。調べると簡単に、励ましてくれる存在、文章、動画コンテンツを見つけることができます。のちの項目で、実際助けになったコンテンツを提示しておきます。
- 「人との比較よりも過去の自分との比較」を意識する。
これは僕の鬱の根本原因で触れたことです。他人との比較は身を滅ぼします。もちろん高いレベルの人を目標に設定し憧れることも、近いレベルの人と切磋琢磨しあうことも有効だと思います。しかし、目標に全く近づけそうにないことに気づいたとき、競争相手がいつの間にかずば抜けて進んでいったとき、の覚悟は必要です。そのために過去の自分との比較を常に意識するべきだと思います。少なくとも過去の自分より、これこれこの部分が成長した、と気づき、一歩一歩進んでいる実感を得ましょう。
やるといいこと
- やりたいこと、やらなければいけないことをハードルを下げてやる
まず何かを達成した経験が必要です。それが次の原動力になるので、ある程度ハードルを下げてポイっとファーストミッションを達成してしまいましょう。
僕の場合は、「とりあえずアルバイトの求人に応募を出すこと」でした。その後の面接はどうでもいいこととして応募を出すところだけやる、と。実際その先の工程は放棄しましたが、就活時の企業へのエントリー申し込みに対する抵抗は少し下がりました。
趣味の範囲でも、まずシンプルなデッサンだけやり、最近ではイラストを描くことをすんなり始められるようになって、いい感じに継続できています。
- 嫌な記憶を思い出したら太ももを10回軽く叩く
自虐気質の人あるあるだと思いますが、昔あった嫌なこと、失敗したことを急に思い出して悶絶することがよくあります。こういうときは太ももを軽く10回、ペチペチペチペチペチペチペチペチペチペチ。ある日Twitterで見かけた手法です。思考場療法、タッピングとか言う手法のようです。本当に効果があるかどうかよくわかりませんが、僕はなんとなく効いている気がしています。ノーリスクですし試してみるとよいと思います。
- やりたいことを100個書き出す。
よくあるやつですね。別バージョンとしてマインドマップというものもあります。正直、最初にこれを見たときは胡散臭いなと思っていました。ですが、やってみると結構効果があります。具体的に今何がやりたいかを明確にすると、生きたさが可視化されるのでこのために頑張ろうと思えるようになります。
ただし注意点があって、これはガッツリ鬱状態のときにやってはいけません。3個ぐらいで手が止まってしまって、逆に悲しくなるからです。ある程度調子が良くなってきてから、もしくは気分が波に乗っている瞬間を狙ってやりましょう。やる気があるときに書き出せばいい感じにやる気を増幅させてくれます。
助けになったコンテンツ
最近のもので、自分に良い影響を与えてくれたものを紹介します。
- くいなちゃんのツイート
まだ間に合います。 あなたはこれから どんな人物になるのか、まだ選べる未来があります。 あなたは生きています、今日はどんなことをします?
— くいなちゃん (@kuina_ch) 2023年2月12日
簡潔に、それでいて力強く背中を押してくれる言葉だと思います。これにはとても力をもらいました。くいなちゃんさんのようにいろんなことを精力的学べる存在になりたいと強く思います。朝起きるたびに思い出して、つぶやきましょう。「今日はどんなことをします?」
- 家長むぎさんの人生相談
家長むぎさんの人生相談についての切り抜き動画です。ほかにもありがちな悩みに対して彼女の考え方を話してくれています。しっかり彼女なりの意見を考えて真摯に話してくれているのだなということが伝わってきます。見ず知らず困っている人間に手を差し伸べようとしてくれる人が世の中にいる、という事実を実感した動画の一つです。また、知識を咀嚼し自身の考え方の糧にしようとする姿勢が素晴らしく、憧れを感じました。
-
桜井政博さんの動画『とにかくやれ!!』
つい最近の動画です。とてもシンプル。やれ!結局それに尽きます。休むことも大事ですが、少しでもやりたいと、やらなければいけないと思ったならやるしかありません。やればやれます。やらなければやれません。当たり前のことなんですがやることの重要性を再確認させてくれる動画だと思います。
- TEDx 『最初の20時間 ー あらゆることをサクッと学ぶ方法』
育児に多くの時間を割かなければならず、これでは何も新しいことが学べない!という経験から、効率よく学ぶためにどうすればよいかについて語ってくれている動画です。(全然最近の動画ではないですねこれ。)ジョークも交えながら楽しく話してくれています。演奏もします。最後の1分間の言葉はとてもとても胸に響きます。新しいことを始めるときの心理的障壁を取り除いてくれる素晴らしい講演だと思います。
- hako生活さんの『アンリアルライフ』
僕の一番好きなゲームです。ストーリーもドットのグラフィックも音楽もすべてが僕に刺さりました。ネタバレを避けたいので詳しいことは書きませんが、主人公のハルちゃんの行動が、さまざまな登場人物の言葉が、きっとあなたの背中を押してくれることでしょう。ヴィレヴァンとのコラボグッズの販売が4月2日までなので急いだほうがよいかもしれません。これは単純に布教です。やったら感想聞かせてね。
以上です。とても長い文章になってしまいました。ここまで読んでくださってありがとうございます。たかが一個人の経験、主観にすぎませんが、これが今生きることに苦しんでいるあなたの力になったのなら幸いです。もし力になれたのなら、それは僕が生きる力になります。あなたが生きようと思うことで救われる人間が今ここにいます。